9人の現役FWの得点ペース比較~ゴールネットを揺らすという仕事~

サッカーは極めて点が入りにくいスポーツだ。バスケやアメリカンフットボール、ラグビーでは数十点単位で試合が動くのに対してサッカーでは1-0や0-0の試合は日常茶飯事で、2-1や3-2になれば観客はスタジアムはいつも以上に盛り上がり、4-3にでもなれば「乱打戦」と記事にされる。4年に1度のサッカー界最大のお祭りワールド・カップでも、ボールがネットに突き刺ささってスタジアムに歓喜を生む回数は1試合で2.4回に過ぎない。(過去4大会のデータ)

そんな奇妙なスポーツが世界で愛されているのには訳がある。ボールが1つあれば誰でも始められてルールは至ってシンプル、それでいて11人のプレイヤーの動きの幅は極めて広くチームごとに異なる戦い方を持っている。故に盛り上がりの絶頂である得点の背後には無数のプレーが混在し、観客は毎試合新しい風景を期待する。

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その期待にゴールという最も分かりやすい形で応えるのがストライカーだ。時には誰も想像つかなかった角度、体勢、スピード、タイミングでボールを蹴りこみ見ている人々の度肝を抜く。ただ、近年のFWはシュートを打つだけでなく前線からの守備や周りを生かす動きだしも求められるようになった。これは勝つためには1人が複数のポジションをこなしより複雑で緻密な戦術を遂行することが必要になったためだ。偽9番と題されるストライカーを配置しない戦い方すら誕生した。中には得点する能力だけのプレイヤーは評価に値しないと論ずる者もいるだろう。

しかしながら、それでも私たちは得点ランキングに拘り、世界最優秀選手の殆どは卓越した点取り屋から選出される。サッカーがどんな風に発展しようとゴールネットが揺れる瞬間にスタジアムが揺れることに変わりはなく、その役割をなんなくこなす選手がいたものなら彼には王者の印が押されるのだ。そして喜ばしいことに現代にも類稀なゴールへの嗅覚を持ったストライカーが何人も存在する。本記事の後半ではそんな猛者たちのゴール数の推移を年齢と対比させながら見ていくことにする。

【次項】”ネイマール、ズラタン、スアレス、バロテッリ、Cロナウド、ルーニーらの総得点の推移比較”