【WBA目線】
しかし、だからと言ってWBAが「隙」を見せてくれる訳ではない。彼らは益々警戒して裏のスペースを消しにかかるのである。(前ページの図のように)中盤まで引いて行くランバートは深追いせずに執拗に裏を伺うララーナ、ヘンダーソン、スターリングには余裕を持ったポジショニングで対応。両SBも極力中に絞って対策は完璧だ。
【LFC目線】
序盤からララーナを中心としたアタッカー陣は連動し裏を狙う動きを続けるがWBAの堅い守備を崩せない時間が続いた。しかし流石はロジャーズ、これは別のスペースを手にするための布石であった。継続して裏を狙われることで警戒心を強めたWBAは、知らず知らずのうちにエリア手前~エリア内にかけて別のスペースを生み出してしまったのである。ある時間帯になったらこのスペースを使おうとする策がレッズにあったことはララーナがパスを受ける位置が変化したことからも読み取れる。(参照:squawka)
そして前半終了間際と、後半に不可解なPKを取られた直後、このスペースから得点が生まれる。特に1点目の形はロジャーズの狙いそのものだったはずだ。裏への抜け出しを警戒させることで忘れられたエリア手前の大きなスペースでララーナが受けて、慌てて対応するWBA守備陣を手玉に取っての得点。(下記図2つ)
【総括】
リヴァプールはWBAの堅い守備に苦しんだが、「相手が弱点を隠すために露呈する”隙”」を上手く突き勝点3を取り切った。バロテッリを外してまでプランを成功させたロジャーズは称賛に値する。ただランバートが実力不足であることも確かであるため、これから先、いかにバロテッリを緻密な戦術にはめ込む事ができるかが鍵となる。頑張れロジャーズ。
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