1415シーズン、「全盛期をこのクラブに捧げる」と言い放ち長期契約を結んだ新エース、ダニエル・スタリッジにはKOPからの多大なる期待がかけられている。CL定着に向けて極めて大事なシーズンである上にルイス・スアレスが移籍してしまったとなれば、昨季21ゴールを記録したイングランド代表FWの荷が重くなるのも当然だ。しかし、残念なことに彼はその期待に応えられるかどうかを試すピッチにすら殆ど立てていない。開幕3試合で負傷し復帰直後に際離脱。CLも合わせると少なくとも合計10試合の出場を見送ることとなる。「怪我をしないことは一つの能力」とはよく言ったもので、ここにきて改めてスアレスの偉大さに気づかされたKOPも少なくないはずだ。結果、チームもスタートダッシュには失敗した。
実際、「スタリッジの不在」がリヴァプールにいかなる打撃を与えているかを検証してみたところほぼ予想通りの結果となった。1314シーズンからの45試合サンプルとし比較を行うと、彼のいない試合では得点も勝点も大幅に減少しているのである。
1415スタリッジのいるいない比較 | |||||
得点 | 失点 | 勝点 | チャンス | 試合数 | |
スタリッジ〇 | 2 | 1.33 | 2 | 10 | 3 |
スタリッジ× | 1 | 1.5 | 1 | 13.25 | 4 |
1314スタリッジのいるいない比較 | |||||
得点 | 失点 | 勝点 | チャンス | 試合数 | |
スタリッジ〇 | 2.72 | 1.38 | 2.28 | 12.2 | 29 |
スタリッジ× | 2.44 | 1.11 | 2 | 14.9 | 9 |
面白いことにチャンス数はどちらのシーズンもスタリッジ不在時の方が1試合当たり2~3回ほど多い。推測するに、彼は試合でのタッチ数が限られているため攻撃の「組み立て」の面では他のMFを入れた方がスムーズに機能するのだろう。しかし、要所で見せる相手DFをぶっちぎるドリブルや鋭い得点感覚は質の高い決定機や少ないチャンスからの得点を生み出すのである。
彼の負傷が続く限り1415シーズンのリヴァプールが苦戦することは目に見えている。バロテッリの突発的なゴールやセットプレーからの得点そしてなによりも監督の柔軟な戦術変更で、いかに冬の市場までやりすごせるかが4位フィニッシュの鍵となることだろう。
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