クロップリバプールがプレミアリーグで優勝できる5つの理由

プレミアリーグ1617季、リバプールは第18節が終わった段階で勝点40の大台に乗り、シーズン勝点84.4ペース。チェルシーが12連勝と、とんでもない記録を作っていなければリバプールが首位になっていてもおかしくない。

過去10年のプレミアリーグを振り返ると優勝チームの平均勝点は86.4。優勝チームの最低勝点は80、優勝できなかったチームの最高勝点は89。過去の記録を振り返っても、今シーズンのリバプールはチェルシーに並んでトロフィーに挑める位置にいるのは確かである。ちなみにリバプールが最強の2位と称されたシーズンは勝点86、スアレス&ジェラードコンビで13連勝したシーズンは勝点84であった。

 

そんなこんなでクロップの実質初シーズンでチームは優勝戦線に位置している訳だが、筆者はリバプールがチェルシーを差し置いてトロフィーを手にする可能性が十分に残されていると考えている。本記事ではその5つの理由を紹介する。

 


 

①統計学による示唆

近代のフットボールでは取得できる様々なデータを元にプレミアリーグの最終順位の予測がなされている。そのうちの1つ、http://www.footballwebpages.co.uk/によるとリバプールの最終勝点は90。チェルシーに3ポイント差で首位フィニッシュすると予想している。(2016年12月26日時点)

15782177_1217673908322527_249335951_n

筆者はこれらの予測モデルを定期的に追っているが、リバプールとチェルシーの場所は日々入れ替わっている。それだけ互いの実力が均衡しているということである。少なくとも、リバプールがプレミアリーグ制覇にチャレンジできる位置にいることは確かである。


 

②リバプールには幸運が残されている

@11tegen11によるとリバプールは攻撃面においてリーグで6番目に運が悪いとのこと。サッカーのゴールの44%は幸運によって左右されるという統計結果が出ているが、リバプールはまだ幸運に頼らずにここまでの爆発的な攻撃力を発揮しているということだ。つまり、クロップの仕掛ける攻撃に継続性があるばかりか、さらに向上する可能性すら秘めている。

一方のチェルシーはアーセナルに次いでリーグで2番目に運が良い。運は徐々に平均化されていくので、この分析が正しければチェルシーはどこかでゴール欠乏症に陥る可能性がある。


 

③特定選手への依存度の少なさ

リバプールはプレミアリーグでどのチームよりもゴールを奪っているチームであるにも関わらず、18節終了時点で二桁得点している選手が1人もいない。以下、リバプール、チェルシー、アーセナルの得点分布図だが、リバプールの得点者が分散されていることは他チームと比較しても明らかだ。

lfcgoal

chegoal

arsegoal

1人のストライカーへの依存はその選手の好不調にチーム力が左右されるということの裏返しである。負傷離脱や出場停止のリスクもある。リバプールはエースストライカーがいない中でリーグ随一の攻撃力を持つ実に珍しいチームであり、上記の様な失速リスクが極めて少ない。


 

④冬の移籍市場によるテコ入れ

WGとGKの補強がリバプールのチーム力を底上げするという議論は盛んに行われており、その議論が正しいことも明らかである。また、リバプールは夏の移籍市場で上手く立ち回り収支は+£17.5m。加えて、冬の市場ではサコとルーカスを放出することが濃厚となっている。つまり資金があって補強ポイントが明確なのだ。

GKを冬の市場で獲得するのは難しいかもしれないが、WGの補強は具体的な名前も数名上がっており、交渉次第で実現するだろう。

<夏の移籍市場の収支>

収入支出
ベンテケ:£32mマネ:£30m
アイブ:£15mワイナルドゥム:£25m
アレン:£13mグルイッチ:£5.1m
ルイス・
アルベルト:£6m
カリウス:£4.7m
ブラッド・スミス:£6mクラバン:£4.2m
シュクルテル:£5.5mマティプ:フリー
セルジ・カノス:£4.5m
シンクレア:£4m
ロシター:£250,000
テシェイラ:£250,000
合計:+£86.5m合計:-£69.5m

 

不足しているピースが明確な分、補強が上手くいけば他チームと比べてそのインパクトも大きい。今夏の移籍スタッフの働きから考えると、冬の市場にも期待を持てる。


 

⑤怪我人復帰によるチーム力の底上げ

自チームの選手の怪我人の数と離脱週数で争われる「INJURY LEAGUE」。リバプールは18節が終わった時点で8位と、上位陣の中ではアーセナルにつぐ怪我人の多さとなっている。

特に主力の離脱が目立っており、スタリッジ、コウチーニョ、マティプ、ゴメス、イングスなど、本来であれば戦力になっていた選手が軒並み戦線から離れている。この中のイングス以外は1月以降に戻ってくる予定であるため戦力は純増する。マネがアフリカ杯で1ヶ月使えなくなるが、前述の冬の補強と合わせて怪我人の復帰がチームを後押しすることは間違いない。

15801608_1217673924989192_802755588_n

 

一方のチェルシーは「INJURY LEAGUE」下からで5番目と大変優秀な成績を残している。裏を返すと、怪我人復帰によるプラス作用は期待できない。

 


以上5つが、筆者がクロップリバプールが優勝を狙えると考える理由である。「優勝するには幸運が必要である」クロップのこの言葉は「運が良ければ優勝できる」と解釈することもできるのではないだろうか。

新参者のコンテとクロップが繰り広げる世界最高峰のリーグでの優勝争い。リバプールは十分にその戦いを制するに値する状況にある。シーズン後半戦もクロップの手腕から目が離せない。

 

>>カリウスはリバプールの『守護神』になり得るか~カリウス、ミニョレ、デヘア、チェフのスタッツ比較〜

>>リバプールVSエバートンの考察〜クロップがミルナーを重宝する理由〜