Anfieldにファビオ・ボリーニ(23)の未来はあるか

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2012年の夏、伸び盛りの若手としてローマからリバプールに移籍してから、期待に応えられずにいたファビオ・ボリーニ(23)だが、レンタル先のサンダーランドでようやく結果を出し始めた。リーグ戦のノースイースト・ダービーで叩き込んだ決勝点と、キャピタルワンカップのファイナルでコンパニを弾き飛ばして、突き刺したゴールは深く記憶に残っている。

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サンダーランドにローン移籍後も、ボリーニの出番は限られていた。(第10節まで合計174分) そんな中で回ってきたチャンスで印象的なゴールが決め、ポジションを掴んだ姿を見て、来季の活躍を期待するKOPも少なくないはずだ。

しかし、客観的なスタッツを見ると、彼がどれだけやれるかにはまだ疑問が残る。得点を決めている印象だが、実際はPKを含めてリーグ3点止まり。シュート精度はチーム平均の28%を大幅に上回る54%だが、この得点数だとストライカーではなくただ単にシュートを”枠に飛ばすのが”上手い選手だ。(枠にも飛ばないよりは遥かに良いが)その他に秀でているスタッツは見あたらない。(下図より)

ボリーニ-スタッツ

サッカーはプレーの幅が極めて広く複雑なため、数字だけに頼って選手の実力を判断するのは難しい。しかし、CL権を手の内に収めつつあるリバプールが来季求めるのは、所謂”違いをつくれる選手”であり、そのレベルにある選手の個性は嫌でも数字に表れる。例えばスアレス、スタリッジ、ジェラードはゴールとアシスト数がその実力の裏返しであり、その他の選手もそれぞれの個性が数字に表れている。(下図より)

リバプール選手-スタッツ

これを前提にすると、ボリーニはリバプールにとってまだ”期待の若手”の域を越えておらず、先発メンバーに食い込める選手ではない。ただ今シーズン、彼が実力でポジションを勝ち取り、要所で輝きを放っていることに違いはなく、さらにまだ23歳の若者で、リバプールで戦いたいと公言している点もプラス要因として勘案すると、FWもWGでも最低限の仕事はできる”便利屋”としてチームに置いておくのも悪くない。

現在のリバプールの選手層、来季の試合数増加(CL,EL)も追い風となり、ぼんやりとはしているが、ファビオ・ボリーニの未来はまだAnfieldから消えていない。

 

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