アダム・ララーナが奏でる「フリーマン」の考察

<シティ戦 2ゴール目>

①やはりフェルナンジーニョとフェルナンドは人に付いている。ペジェグリーニがどのような指示を出していたのか疑問符が残るが、アグエロとシルバが守備に貢献しないことで、既に不利な状況からのスタート。ララーナはスターリングの背後に位置を取る。

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②ボールはフリーのコロ・トゥレへ。ララーナは引き続きスターリングとシティDFの間を漂う。1得点目同様、オリギが留めているCBと中盤の隙間を利用する。

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③フラナガンにボールが渡ったため、スターリングがマークを受け渡す。やむを得ず後ろのオタメンディがひとつ前へスライド。

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④ララーナがサイドに流れ背後にスペースをつくりつつ、フラナガンからボールを受ける。

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⑤ララーナの背後のスペースにフィルミーノが走りこみ、ボールを受ける。この時ララーナはヒールキックでパスを繋いでいることからも、意図して背後のスペースを創り出していることが伺える。

フェルナンドはナバスから受け渡されたミルナ-を外して前へ出ざるを得ず、フィルミーのにアプローチ。よってミルナ-がフリーになる。

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⑤フェルナンドがマークを外したタイミングに合わせフィルミーノからミルナ-にボールが入る。この時、オリギが裏に走りこみ、コンパニとコラロフは潰しに行けず、このままミルナ-がフィニッシュ。

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1点目とは対照的に、自らが潰れることでオリギが創りだしたDFとMFの間のスペースを無駄なく使い得点を演出している。コウチーニョ、フィルミーノ、スタリッジなど、試合を決められる選手を生かすという意味でも、ララーナのようなプレーエリアを意図的に創り出せる選手は貴重である。

リヴァプール移籍後、際立った活躍が見せられず一時は放出候補とも言われていたララーナだが、15/16シーズンの折り返し以降、技術力を献身性を生かし 彼にしかできないスタイルを確立しつつある。

キャリアのピークを迎えるであろう先の1~2年、クロップ政権の核となることを期待したい。

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